常滑の急須作家・伊藤雅風さんのしおり（パンフレット）を制作させていただきました。

彼は自らの手で粘土を生成し、伝統的な朱泥急須の製法を大事にする、常滑でも珍しい若手の急須作家さんです。最近急須をネットでも販売されるようになったので、顔が見えないお客さんにも、彼の想いとコンセプト、急須作りの背景などを知ってもらう為のしおりです。

「急須バカ」というコピーは、以前うつわノートさんのギャラリーで開催された彼の個展のタイトルからそのまま引用しました。はじめは、ここには「暮らしにていねいなお茶を」という当たり障りのない（？）コピーを入れていました。でも、英訳をチェックしてくださっていたまりさん（雅風くんの奥さん）の先生から、彼の真髄が伝わりにくい…などのご指摘をいただいて、文章の内容をブラッシュアップし、「愚直なまでに急須とお茶が大好きだという想いから、真面目な姿勢と研究者のような創意工夫で急須を作っている急須バカ（geek）である」という、彼の唯一無二のアイデンティティに焦点をあてた構成に変えていきました。

表紙のイラストも、以前名刺を作った時に色鉛筆で描いたものから少しテイストを変えて、片手で急須の最後の一滴（旨味が凝縮したゴールデンドロップと言われる）をゆっくり落としている様子を描き下ろしました。

日本語文はもちろん、英訳文も丁寧にチェックしていただきながら繊細な表現にまでこだわって、とても彼らしさが伝わるパンフレットになったと思っています！！

このパンフレットの完成を機に、彼の作家としてのアイデンティティがより強固なものになり、多くの人に伝わってファンが増えることを願っています。